サンドイッチのお弁当のお話
2015/08/29
サンドイッチを作るときは、ピクニックのようで何だかうきうきします。中には何を挟もうか悩むのも楽しいもの。いつもとひと味違う、ちょっとおしゃれで贅沢なサンドイッチのでてくる本を紹介します。
『ぐりとぐらとくるりくら』のぐりぐらサンド
ピーナツバター ママレード
たんぽぽ クローバ パセリとセロリ
パンに はさんで
ぐりぐらサンド
春の朝、野ねずみのぐりとぐらの二人がお弁当を持ってはらっぱに出かけてゆき、くるりくらに出会うお話です。
お話のはじめに二人が作るのは、野菜たっぷりのぐりぐらサラダとぐりぐらサンド。
広びろとしたの緑のはらっぱに、たんぽぽの咲き乱れるイラストが春らしくてとってもきれいです。
『ジャムつきパンとフランシス』のおべんとう
まほうびんには、トマトのクリームスープがはいってるの。それに、しろパンに、いせえびのサラダを はさんだ サンドイッチでしょう。それから、セロリと にんじんと、くろいオリーブ。セロリにかける おしおも あるわ。それから、スモモがふたつと、ちいちゃいかごに はいった サクランボ。チョコレートのかかった バニラプリンと、それを たべるスプーン。
大好きなジャムつきパンだけあれば、ほかのものはいらないわ!とジャムつきパンばかり食べるフランシス。でもずうっとジャムつきパンばかり続くうちに、他のものも食べてみたくなって…というお話。
はじめの、いつも同じで安心できるものを食べたいというフランシスの気持ちも分かるだけに、しつけ絵本かとやや構えてしまいますが、あれこれおいしそうなものが出てくるうちにあら、そんなのもおいしいかしら?と思えてきます。
最後のフランシスがテーブルに広げるおべんとうはものすごい豪華版で、外国らしく洒落たものばかり。思わずどんな?どんな?という気分に。
『昭和天皇のお食事』のサンドイッチ
(略)新人がこのサンドイッチを初めて見たときは、パンとパンの境目がわからないように、あまりにもびっしりときれいに入っているので「本当に切れているんでしょうか」と聞くのが定番の質問でした。
宮内庁大膳課に勤めていた渡辺誠さんのエッセイ集。
昭和天皇の普段のお食事や、お正月の独特な献立について知ることができます。料理人ならではの視線でかかれているので、宮中のしきたりにとまどった失敗談や、白芋(じゃがいも)やニンジンの切り方といった料理のこだわりが描かれていて面白いです。
とにかく丁寧につくられたお料理ばかりなんですが、なかでもおいしそうに思えるのがお弁当につくる、紙箱に入ったサンドイッチ。
四角に切ったサンドイッチを具が見えないように横にねかせて、紙箱にきっちり隙間なく詰める。ふたを開けると切れていない一枚のパンのよう、というのが凄い。