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読書記録と好きな本の紹介。

海と砂浜と焚き火のお話

      2015/08/29

毎年夏になると読み返したくなる、海の冒険のお話。
陽射しはキツイし砂は熱いし、色々不便もあるけれど…。それでも探検と聞くと心躍ります。海に行きたくなるので、とにかく暑い日に読むのがおすすめです。

『無人島に生きる十六人』の水

この島に、何年住むかわからないのだ。なんでもかんでも、井戸をほらねばならぬ。

明治31年、太平洋で難破した船の乗組員16人が無人島で生活する実話ベースの冒険小説。
漂流記でありながらまったく悲壮感がなく、冗談と笑い声が無人島に響く明るい話です。「一粒よりの海の男」たちが支えあい知恵を出しながら日々を快活に過ごす様は見事。
食べ物に関する描写も多く、まずは命とも言える水の確保から、魚や海亀、海鳥の卵といった食材あつめ、塩づくりなどの試行錯誤が描かれています。島のアザラシとこっそり仲良くなるエピソードや、作中語られる海の男の昔話、雄大な海の景色の描写なども清々しいです。
すぐに読みたい人は青空文庫無人島に生きる十六人で無料で読めます。

『わしらは怪しい探険隊』のぶた汁

そしてここにきてトップランク級のちゃんこ鍋か、C級のぶた汁か(カレーライスはまだもったいないからつくる気はない)という問題は、その長老を始めとした必殺釣り人三名のその釣果にかかっていたのである。

椎名誠とその友人たちの「東日本何でもケトばす会」が、毎年どこかの島へにキャンプに行く様子を描いたざっくばらんなアウトドアエッセイ。
その後も続く「探検隊シリーズ」の1作目となるこの本では、神島でのキャンプの話がメインになってます。
小洒落たアウトドアクッキングとは遠く、夕飯は釜炊き目黒の炊いたご飯・炊事班長沢野のつくる料理(ちゃんこ鍋・ぶた汁・カレーのどれか)と、その日の釣果を煮たり焼いたりしたもの。
夜の焚き火を囲んでめちゃくちゃに盛り上がる宴会が楽しそうで、テントを担いでキャンプに出かけて行きたくなります。

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